フォークランド紛争は、ボクも大変興味を持って眺めていましたよ。というのは、いままでの戦史をみると、南北の緯度40度以内の水平移動、つまり緯度の違わない地域を攻める戦争は、だいたい成功しているが、縦移動になると失敗した例が多いからなんです。

ナポレオンのモスクワ遠征は失敗の例だし、アレキサンダー東征や蒙古軍は、水平移動で成功した例だ。

フォークランドでは、イギリスは勝ったようで負けているんですよ。あんな武器もないところに、あれほどの大艦隊を持って行って、てこずっている。

なぜ緯度が戦争に影響するかというと、それは気候だけの問題じゃない。人間のカンに対する影響が大きいからなんだ。

タテ移動するとカンが狂う

戦争というのは異常心理が支配している世界なんですね。異常心理のときには、人間は機械とか、そういうものばかりをみてないんですよ。敵を攻撃するということと、自分が生きているということの二つの事実が、戦う人間にはのしかかっている。そうすると機械を忘れちゃう。計器をつけてやったから、そのとおり動くかといえば、そうじゃなくてカンで動いてしまう。