コンピュータがプロ棋士に勝利する──。10年前までは笑い話のたぐいだったが、今や誰も驚かない事象になりつつある。今後、棋士はコンピュータ、その先にあるAI(人工知能)とどう付き合っていくのか。永世名人で日本将棋連盟会長でもある谷川浩司氏に聞いた。

日本将棋連盟会長 谷川浩司
たにがわ・こうじ/1962年生まれ。76年に史上2人目の中学生棋士としてデビュー。83年、史上最年少の21歳で名人に。タイトル獲得数27期。2012年から現職。(撮影:今井康一)

──コンピュータ将棋は現在、どのぐらいのレベルに達しているのでしょうか。

プロ棋士のトップレベルと言っても過言ではないだろう。2013年から電王戦と銘打って、現役棋士とコンピュータによる5対5の団体戦をしてきた。プロ側が負け越すという年もあり、思ったような結果が出ないこともあった。

直近では16年4〜5月に、トップ棋士の一人である山崎隆之八段がコンピュータと2局指したが、2局とも敗北した。コンピュータの強さを認めざるをえない。

──棋士とコンピュータが対局することの功罪についてはどのようにお考えですか。