「2016年は、未曾有のハリケーンを題材にした映画さながら、『パーフェクトストーム』に襲われた1年だった」(野村ホールディングスの永井浩二CEO)。

嵐の発生源は二つ。一つは債券市場の構造変化だ。主要国の中央銀行が量的緩和策の下、債券市場の主要な買い手に台頭した。もう一つは、リーマンショック後の世界的な金融規制強化の流れ。これらが金融機関の収益機会を奪い、ホールセール(法人向け取引)の世界市場規模は09年の3150億ドルから16年は1990億ドルまで減少する見通しだ。

同社のホールセール部門は収益の過半を海外で稼ぐ。その基盤が、08年買収の米リーマン・ブラザーズの欧州・アジア部門だ。ただ、海外は15年度まで6期連続で税前赤字に沈んできた。そこで同社は16年4月に欧米での大規模リストラを発表。今後2年で7億ドルの費用を削減する計画を打ち出した。16年度上期までに年換算で4.5億ドル削減し、税前損益で400億円の黒字を達成。通期で500億円の黒字も視野に入る。

一方で、17年は成長への種まきも進める。スタートアップ支援の新会社を立ち上げ、100億円を拠出。フィンテック分野の強化を図る。永井氏は17年でCEO就任6年目。同社トップの任期は通常6〜7年。終盤戦で宿願の海外黒字化を果たし、成長の芽を次の世代に託せるか。