ポストスマートフォン時代を見据え、自動運転にもIT企業各社の投資がなだれ込んでいる。自動運転の基礎知識から展望まで、Q&A形式で解説する。

Q1 今、自動運転に注目が集まっている理由は何ですか?

A 世界各国で自動車メーカーや大手のIT企業などが、次世代ビジネスの主導権を握ろうとしているからです。しかし、現時点で自動運転の定義は明確化されていないため、デファクトスタンダードを狙う動きが加速しています。ボストン コンサルティング グループによると、2035年、新車販売台数のうち自動運転車の割合は25%、同年時点の市場規模は770億ドルに達すると予想されています(図表1)。

[図表1]
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自動車メーカーが自動運転に取り組む狙いは交通事故の削減、交通渋滞の緩和、環境負荷の低減の3点が挙げられます。一方でIT企業は、自動運転を通じたビッグデータの蓄積・解析、クラウドによる維持管理などが将来のビジネスにつながると見ています。

自動車メーカーが特に重視しているのが、交通事故の削減です。世界保健機関(WHO)によると、13年の世界での交通事故死者数は約125万人に上っています。このうち約9割はドライバーの運転ミスが事故原因だと分析されており、こうした状況を改善するため、先進国だけでなく自動車保有台数が急拡大している中国やインドでも、自動車メーカーによる自動運転への関心が高まっています。