ビッグニュースが相次いだ2016年が終わり、17年が始まる。国際社会では、米国大統領にトランプ氏が当選したことが最大のニュースだろう。英国のEU(欧州連合)からの離脱決定がそれに次ぐ。いずれも「移民や自由貿易が雇用を奪っている」といったスローガンで有権者を引き付けた。

実際には移民や自由貿易は米英両国に多くの恩恵をもたらしているにもかかわらず、負の側面を強調して人気を得ようとした。まさにポピュリズム(大衆迎合)の手法だ。日本でも安倍晋三首相は、大衆には不人気の消費税の増税を先送りした。

16年の参院選では勝利したが、財政再建はさらに遅れている。ここにも、有権者の嫌がる増税を回避するという一種のポピュリズムを見て取ることができる。この潮流は今後どうなるのか、占ってみよう。

トランプ流ポピュリズムを実感したことがある。米大統領選の取材で訪れたペンシルべニア州で開かれたトランプ氏の集会で、ある白人男性の話を聞いたときだ。トランプ氏支持の理由をこう語った。「移民のせいで俺たちの給料は下がり続けている。友達の中には会社が倒産して失業したやつがいる。トランプはそこを変えてくれるはずだ」。