1918年のドイツ革命失敗により共産主義の世界化は遠のき、資本主義に敗北した(アフロ)

マルクスの思想はなぜ世界化できなかったのか。一方で、社会主義を称する国がいくつか残っているが、これらはなぜ社会主義を今でも維持できるのか。この二つの問いに対して答えるには、マルクス主義とは何か、そして社会主義とは何かという問いに、まず答えねばならない。そして、マルクス主義と社会主義とは何かについて答えるには、資本主義とは何かという問いに答えなければならない。そこで、まず「資本主義とは何か」という問いに対する回答から始めよう。

「人権宣言」で隠された「所有」と「安全」

資本主義社会は、あくなき利潤追求だけの社会ではない。資本主義がこれほどまでに世界に拡大したのには、当然、積極的な理由がある。「資本の文明化作用」という言葉に示されるように、資本主義には極めて積極的な意味があったためだ。

資本主義はそれまでの社会、すなわち封建的社会に対するアンチとして出現した。それまでの封建的社会では、身分制度が社会規範の軸であり、すべては経済ではなく政治で決められていた。