今年3月までは、販売代理店の店頭で「実質0円」の表示がよく見られた。今は禁じ手だ(撮影:梅谷秀司)

「スマートフォンの落ち込みが致命的だ」。販売不振にあえぐソフトバンクの販売代理店関係者から、そんな悲鳴が聞こえてくる。

苦戦の背景にあるのは総務省によるガイドライン。「行き過ぎたスマホの廉価販売が市場をゆがめている」として、高額なキャッシュバックや、2年間の契約期間の割引額が端末価格を上回る「実質ゼロ円」以下でのスマホ販売を4月から禁止したのだ。

ソフトバンクグループの孫正義社長が自ら認めているように、実質ゼロ円販売を始めたのはソフトバンクである。顧客の奪い合いという意味ではNTTドコモもKDDIも同様だが、最も積極的に価格勝負を仕掛け、他社から顧客を獲得してきたのがソフトバンクだった。実際、販売台数に占める新規契約(大半は他社からの乗り換え)の割合は、前2015年度にドコモを上回っていた。

ところが、ガイドラインが施行された4月以降に異変が起きた。ソフトバンクの販売における新規の割合が大幅に落ち込んだのだ(図表1)。