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冷戦終結と日米同盟再強化(1989~現在) 戦後史超入門・証言でたどる日米70年(3)

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昭和天皇が崩御し、日本が1989年に「平成」の時代へ移行するのと同時期に、米ソを中心とした世界のパワーバランスにも大きな地殻変動が起きる。

ソ連がアフガニスタンに軍事侵攻した79年以来、米ソの緊張関係は再び高まり、「新冷戦」の時代が続いていた。しかし、新冷戦による軍事対立は両国経済を疲弊させる。

米国は貿易・財政の双子の赤字に苦しみ世界最大の債務国に転落していた。一方のソ連も深刻な経済危機に見舞われ、85年に就任したゴルバチョフ書記長はペレストロイカ(国内改革)路線を強く打ち出し始める。

1991年12月のソ連解体とともに、レーニン像は市民によって引きずり倒された(AFP=時事)

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TOPICS 8
ソ連崩壊から 米国一極体制へ

米ソの緊張緩和機運が高まり、ソ連は88年にアフガニスタンからの撤兵を開始。89年12月にブッシュ(父)大統領とゴルバチョフ書記長はマルタ島で首脳会談(マルタ会談)を開き、米ソ共同で「冷戦の終結」を宣言。44年間続いた冷戦に実質的にピリオドを打った。

ソ連の自由化の動きは隷属していた東欧諸国の自立を刺激し、ポーランドやハンガリー、チェコスロバキアなどで民主化運動が進む。91年8月にソ連保守派のクーデターが失敗したことで、ほとんどの共和国がソ連からの離脱を宣言。ついには、同年12月にソ連は崩壊した。

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