任期満了間近のオバマ大統領は今年9月に杭州で習近平主席と首脳会談を行った(ロイター/アフロ)

中国の台頭によって、アジア太平洋地域の情勢が曲がり角にきている。地域内でのパワー分布に変化が生じているからだ。そして、米中それぞれの国家戦略にも変化の兆しが見える。だが、その先には、日本が必ずしも楽観できない風景が広がっているかもしれない。

2015年、日本政府は「平和安全法制(安保法制)」を成立させた。同法制を議論する際、日本政府は「日本の『安全保障環境』は、ますます厳しさを増している」と強調している。

政府は直接の言及を避けようとしたが、多くの日本人は、その原因が中国にあるという印象を持っているだろう。日本が中国の言動に敏感なのには、「脅威の近接性」も関係している。自国に近い相手に対しては脅威認識が高くなりがちなのだ。

それを差し引いても、日本が中国の動向に敏感になるのは正しい。しかしその理由は、日本の領土に対する軍事攻撃といったレベルのものではない。中国は、現在の国際秩序そのものを変えようとしているのだ。