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不動産で相続対策、やっていいことダメなこと 全額借り入れは赤字懸念。税額低いならやるな

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イラスト:熊野友紀子

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不動産を使った相続対策への関心が高い。相続税は今後も課税強化の方向であることは間違いなく、現時点で相続税評価額を大きく引き下げることができるのは不動産しかないといっていいためだ。

相続税評価額は賃貸不動産の場合、建物部分は固定資産税評価額の70%(時価の40%前後)になる。土地部分は固定資産税評価額の120%前後だが、時価との比較では立地の悪い所だと70%前後、立地のよい場所ならば50%前後になる。

土地については、貸付事業用の宅地も小規模宅地等の特例での要件を満たすと特例が適用されるので、200平方メートルまではさらに50%減額され時価の25%程度となる。

しかし現状では収益不動産の価格が上がり高値圏にあるため、価格下落リスクも考慮すべきである。築20年以上の古い物件を購入した場合、年間利回りは4~6%台にとどまる。

この水準では、節税効果にばかり目を奪われ、余裕のない借り入れ中心の資金計画で購入すると、家賃が少し下がるか、空室がいくつか出るかするだけで、容易に赤字に転落してしまう。不動産は修繕やメンテナンスの費用も必要になる。相続対策で買ったはいいが、結果的に負の財産となる可能性が高いのである。

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