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中国の指導部対立は学界を巻き込み始めた 産業政策の是非を巡って経済学者たちが大論戦

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中国の経済学者の間で産業政策をめぐる論戦が過熱している。過剰生産や腐敗につながるという指摘が出る一方、経済発展に不可欠という反論もある。

中国の太陽光産業は補助金による過剰な設備投資がたたり破綻が相次いだ。写真は浙江省嘉興の工場(ロイター/アフロ)

中国指導部内での対立が誰の目にも明らかになっている。今年5月に中国共産党機関紙・人民日報のインタビューで、ある匿名の「権威筋」が、中国経済は回復の見込みがある「U字」でも「V字」でもなく、2ケタ成長が終わり6.5%程度の成長率で落ち着く「L字」型の経済だと指摘した。

これは景気回復を目指す李克強首相の現行の経済路線に対する痛烈な批判で、習近平国家主席の意向と見る向きが強い。指導部内での対立が深まる中、政府はどの程度まで経済政策の改革にアクセルを踏むのか。対立構造の影響は、とうとう学界での論争に及び始めた。

この夏には、ともに著名な経済学者である北京大学国家発展研究院の張維迎教授と林毅夫教授の間で産業政策をめぐる激しい論戦が展開され、民間に至るまで幅広く討論を引き起こしているのだ。

産業政策の功罪に学界が踏み込んで議論

産業政策とは、特定産業を発展させるための政府の関与のことで、中国では各種形式の補助金や行政による監督管理などの手段がある。

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