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IoT化社会で生き残るにはオープン化が不可欠 ファナックの稲葉善治会長兼CEOを直撃

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世界中の工場にFA製品を納めるファナックは、ものづくりに欠かせない存在だ。IoTの波へと飛び込んだ真意を、稲葉善治会長に直撃した。

いなば・よしはる●1948年生まれ。73年東京工業大学卒、いすゞ自動車入社。83年にファナックに入り、89年に取締役。2003年に社長就任。16年から現職。(撮影:尾形文繁)

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──工場のIoT化は、ファナックの事業にどんなインパクトを与えるのか。

これまでは工作機械やロボットなど、一つひとつの機械でより高精度な制御を実現し、信頼性を向上させることを突き詰めてきた。

その間にネットワークやAI(人工知能)の技術が発達してきた。これは大きな変化だ。工場が一つのシステムとして機能することになる。ここに大きなポテンシャルがあることに気づいた。

ファナックなりのアプローチを考えてきたが、クラウドコンピューティングのような巨大なシステムではなく、リアルタイム性の高い現場密着型のネットワークを構築する。生産性や品質の向上や、機械を停止させない「ゼロダウンタイム」の考え方で稼働率を上げることに特化した開発を進める。

このコンセプトを実現するにはわれわれの技術だけでは足りない。一方でネットワークやセキュリティ、最新の機械学習の技術を持つ企業とは個々に付き合いがあった。こうしたプレーヤーが集まれば、強力なシステムが作れる。「フィールドシステム」と名付けて、具体的に提携の話を始めたのが1年ほど前のことだ。

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