トヨタは人工知能技術の研究・開発を行う新会社設立で対応を練る(撮影:梅谷秀司)

車のIoT化は自動車産業に二つの大きなトレンドをもたらす。一つは、これまで移動の手段にすぎなかった車がクラウドを通じて社会全体とつながる時代を迎え、車のあり方自体が大きく変わろうとしているということ。もう一つが、メーカーは造るだけ、ディーラーは売るだけ、といった製販分離の解消を目指す動きが生まれるということだ。

まず一つ目のトレンドから見ていこう。この分野は、日系自動車メーカーの動きが遅い。本来は顧客が車と直接関与する度合いが高いカスタマーサービスを主体にビジネスを設計すべきだが、具体的な事業計画を立てている自動車メーカーは少ない。そうした自動車メーカーの苦手意識を逆手に取るように、IT産業が車のサービスビジネスに一気に攻め込んできている。筆頭が米国のUber(ウーバー)テクノロジーズやリフトなど、ライドシェアのベンチャー企業だ。

ライドシェアへの対応が遅い日系自動車メーカー

ライドシェアは車を所有するものから利用するものへ転換させる画期的なサービスだ。ライドシェアが普及すれば、個人が所有する車を不特定多数の人々が気軽に利用できるようになる。その結果、車の稼働率を上げる効果がある。