日本のペット流通に生体展示販売と殺処分という問題が根深く存在するのは現実だ。この現実がある以上、「動物の命をどう扱うか」という倫理観が、飼い主やペット業者を含め犬・猫にかかわるすべての人に厳しく問われている。

女優の杉本彩さんは、生体展示販売と殺処分の即時停止を訴える動物愛護団体「動物環境・福祉協会Eva」を主宰。近著『それでも命を買いますか?』(ワニブックス)ではペット業界の闇を糾弾した。一方、作家の佐藤優さんは保護した野良など猫6匹を飼う動物愛好家だ。異色の組み合わせの二人だが、ペットと人とのあり方は社会の根本にかかわる問題だという点で一致している。

動物を殺す国はいつか人も殺す

さとう・まさる●作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ、同志社大学大学院神学研究科修了。『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』など著書多数。「人間と違って猫は嘘をつかない。悪口も言わない」と取材中に漏らした。(撮影:尾形文繁)

佐藤 犬・猫の殺処分について元文部科学相の下村博文氏と話したことがあります。彼は「殺処分を減らす努力をすべき」と言いましたが、削減ではなくて今すぐやめるべき。ペットは人間が無理やり作り出した家畜で、人間に依存しないと生きられない。この存在に対し、人間が責任を持つのは当然のことです。