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小動物志向増える獣医師、実習の充実が課題に 飼い主の動物病院選びは、ますますシビアに

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日本獣医生命科学大学の実習風景。教授や看護師、研修医や学生が一堂に会する光景は圧巻。1年生から実習に参加することはモチベーション維持にもつながるという

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家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫が4月下旬に宮崎県内で発生、被害が拡大し、ブランド和牛である宮崎牛の種牛の保護も大問題となっている。畜産農家の消毒や牛の殺処分などの対応に追われているのは、全国から派遣された獣医師たちだ。

実は近年、こうした牛や豚など産業動物の治療に携わる獣医師の不足が問題となっている。畜産・酪農が盛んな自治体では獣医師職員を確保するため、大学を回って説明会を開いたり、採用年齢の条件を緩和したりと必死だ。

代わって増加しているのが犬や猫、小鳥などの小動物、つまりペットの診療に携わる獣医師だ。獣医師の世界では今、大きな構造変化が進んでいる。

それを象徴する出来事がある。

1881年に東京・小石川に日本初の私立獣医学校として誕生した獣医学界の名門「日本獣医畜産大学」が2006年に校名変更し、日本獣医生命科学大学となった。伝統ある「畜産」の看板を下ろしたのである。

校名変更に先立ち、01年に畜産学科を動物科学科に、03年に獣医畜産学部を獣医学部と応用生命科学部に改組するなど段階的に「畜産」の文字を除いていった。「略称の『日獣』が浸透しているので『日本獣医』を変えるわけにはいかないが、もはや『畜』の文字を使う時代ではない」と、同大学付属動物医療センター院長を務める多川政弘教授は語る。

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