ロンドンで会見する孫社長。少年のような目で見つめる先に待つのはバラ色の未来か(ロイター/アフロ)

「ソフトバンクはモバイルの会社だと思われているが、ここ10年のことにすぎない。本業をがらっと変えてきた。次のパラダイムシフトを牽引する出世魚であり続けたい」(孫正義社長)。

ソフト卸を祖業としながら、展示会や出版、ブロードバンド、携帯電話と、事業転換を果たしてきたソフトバンクグループが、またも大きく舵を切った。7月18日に英半導体設計大手のARMホールディングスを買収すると発表。9月までにARM株を100%取得する。

[図表1]
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ARMはスマートフォン向けのSoC(システム・オン・ア・チップ。システムの動作に必要な機能を一つの半導体チップに実装したもの)で世界シェア95%超を誇る。そのガリバーを傘下に収めることで、今後爆発的な高成長が期待できるIoT(モノのインターネット。あらゆるものが無線でつながる世界)向けで断トツの半導体企業になるのが、孫社長の狙いだ。

専門家の評価は極めて高い。情報通信総合研究所の岸田重行上席主任研究員は「通信事業者の立場ではIoTのエコシステム(複数企業が有機的に結び付き共存共栄する仕組み)を左右するほどの存在感は出しにくい。IoTではスマホとはケタ違いの通信デバイスが使われるのは明らかで、半導体チップというデバイス領域に足場を持つのは合理性がある」と評価する。