有料会員限定

安易な投資は禁物乱高下のベンチャー株 IPOが静かなるブーム

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

東証マザーズに外国株として上場する創薬ベンチャー、アキュセラが演じたジェットコースター相場はこの先何年も語り草になるだろう。折からのバイオ株ブームに乗り、同社株が上場来高値の7700円をつけたのは5月25日のこと。いまだ世の中に新薬を送り出したことのない赤字ベンチャーの時価総額はその瞬間、2900億円近くにまで膨張した。

過熱感の象徴となったアキュセラ株の暴落

ところが翌日、同社は重大な発表を行う。大看板の新薬候補「エミクススタト塩酸塩」の有効性が治験で認められなかったとの内容だ。市場には売り注文が殺到し連日のストップ安、ぱんぱんに膨れ上がった時価総額はほぼ10分の1にしぼんだ。

驚くべきことにこの鉄火場で猛然と買い向かう投資家がいた。北尾吉孝氏率いるSBIホールディングスである。日本人医師の窪田良氏が米国で起業したアキュセラにSBIが投資したのは2008年。上場後も大半の株を持ち続け、株価急落直前には傘下のファンド分も含めると約21%を保有していた。15年にアキュセラで内紛が起きた際、SBIは窪田氏側に立ち、外部招聘した外国人役員の追放にも一役買っている。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
すごいベンチャー100 2016年版
IPOが静かなるブーム
フィンテックを取り込め!
学生1人ではもう起業できない
まだまだある!
ベンチャー100社 [コミュニケーション]
ベンチャー100社 [暮らし]
ベンチャー100社 [健康]
ベンチャー100社 [教育]
ベンチャー100社 [メディア]
ベンチャー100社 [フィンテック]
消えぬ新興企業の不祥事
究極の一人起業家
シリコンバレーVC激白!
ベンチャー100社 [外資が狙う3社]
ベンチャー「兄貴分」のしくじり戦記
ベンチャー100社 [不動産]
ベンチャー100社 [農業・フード]
ベンチャー100社 [ヘルスケア]
ベンチャー100社 [シェアリング]
1000億円予算の光と影
LINE上場
創薬
ベンチャー100社 [AI・脳波]
ベンチャー100社 [ロボット]
ベンチャー100社 [VR・AR]
ベンチャー100社 [宇宙]
日本を立て直せ!
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内