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「お粗末IPO」本当の問題は何か 消えぬ新興企業の不祥事

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公開価格割れや初値天井の銘柄が目立ち始めている(撮影:今 祥雄)

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日本のベンチャー経営者にとってエグジット(出口戦略)の大きな手段となっているのが、IPO(株式新規公開)だ。その社数は2006年の188を直近のピークに、09年には19まで落ち込んだものの、昨年は98と回復基調にある。

IPO社数が持ち直すにつれて目立ち始めたのが、初値が公開価格を下回る「公開価格割れ」の銘柄や、初値をピークにしてその後の株価が低迷する、いわゆる「初値天井」と呼ばれる銘柄の増加だ。

こうした銘柄には、上場直後に業績予想を下方修正する会社や不祥事が発覚する企業も少なくない。最近では、14年12月に上場したスマートフォンゲーム会社のgumi(グミ)が、上場からわずか2カ月半で業績予想を赤字に下方修正、韓国子会社での横領も発覚し、大きな問題となった。今年に入ってからも、3月に上場した建売業者のフィットが5月11日に予定していた決算発表を延期し、大きく株価を下げた。

その背景について、最近新興市場に上場した企業の幹部は「ゲームなど浮き沈みの激しい業界は、結果として実績が予算を割り込む場合がある」と同情を示す。が、「主幹事として実績を上げて次の案件獲得につなげるため、無謀な条件設定で上場を勧めている証券会社もあるようだ」と耳打ちする市場関係者もいる。

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