19世紀末、本州からの移民によって切り開かれた北海道・帯広市。ファームノートの創業者、小林晋也氏(36)の出身地だ。祖父が営む畑を手伝いながら幼少期を過ごし、旭川工業高等専門学校に進学。機械工学を学び、2004年に24歳でシステム開発会社を起こした。以来農業とは無縁の事業に携わっていたが、13年11月「ある酪農家にシステムを作れないかと打診された」(小林氏)ことを契機に、牛群管理システム「Farmnote」を開発。同名の企業を設立した。

牧場を運営するうえで最も重要とされるのが、牛一頭一頭の健康管理だ。病気になっていないか、繁殖予定はいつかなど、酪農家はさまざまな情報を多くの場合手書きのメモで記録している。そのため牧場内での情報共有が容易でなく、生産性向上の妨げとなっている。

Farmnoteは、こうした情報をスマートフォンやタブレット端末に入力するだけで牧場内のほかの端末と共有できるシステムだ。導入した十勝・山岸牧場の山岸拓氏は「情報が“見える化”され、親方の指示を待たずに自主的に動けるようになった」と語る。