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拡大するジャパンプレミアム 国際市場は冷徹な「不安金融機関」排除を進める

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三洋証券、拓銀、山一証券の破綻で「日本」の海外評価は地に落ちる

「日本売り」に追い打ちをかけた山一破綻。ロンドンでジャパンプレミアムは急騰し、10~20ベーシス高いオファーが現れた。しかし、それを取りにいくと「さっと引く。高いのを取り入れる必要があるのは、何か理由があると取られる。12月には年越えの資金について、さらに高くなるのではないか」と言われる。

ジャパンプレミアム急騰

すでに日本の金融機関に対するインターバンクの信用には昔日の栄光はなかった。11月の中旬にヨーロッパを回った辛口の銀行アナリストが嘆息する。「銀行株を売り込もうにも、鼻の先であしらわれる。説明すると、お前の見方は甘い、と」。ドイツでは、邦銀に対して現地の銀行は一切資金を供給せず、日本の銀行は本国からの円送金で資金繰りをつけているという噂が流れていた。

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ジャパンプレミアムとは海外市場での邦銀向け上乗せ金利を指す。何ベーシス(1ベーシスは0.01%)高いという表現で表し、欧米の大手銀行の調達平均レートより邦銀がどのくらい高い金利で資金調達しているかをいう。ジャパンプレミアムが11月に入って再び現れた。三洋証券の破綻直後はまだ小幅だったが、株価急落→銀行の自己資本急減→欧米金融機関の警戒の連鎖が現れた。

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