独GPMの買収額は数百億円に上るとみられるが、永守重信社長はさらなる大型買収にも意欲を示している(撮影:風間仁一郎)

「大マグロは先の話。今回(釣ったの)はタイだ」。12月12日、東京で会見に臨んだ日本電産の永守重信社長は、上機嫌でそう語った。

“タイ”に例えたのは、同日買収を発表した、車載用ポンプ大手の独ゲレーテ・ウント・プンペンバウ(GPM)。独フォルクスワーゲンや独ダイムラーを得意顧客に持ち、車載用ポンプでは欧州シェア2位を占める。直近売上高は約390億円に上る。

車載用ポンプは、日本電産にとっては手つかずの分野。ただ今後、自動車市場では環境負荷への配慮から、信号待ちなどの際にエンジンを一時停止するアイドリングストップ機能の普及が見込まれ、併せてモーターで駆動させる「電動ポンプ」の需要も拡大すると予想されている。

日本電産は今産業用モーターなどの拡大を急いでおり、特に車載用を有望視。今回の買収で車載モーターにGPMのポンプを組み合わせ、需要増が期待される電動ポンプの拡販を狙う。「ポンプは電動化が進む自動車のキーとなるコンポーネント。4年後には市場は倍になる」と永守社長の期待も大きい。

もっとも今回の買収は既定路線といえる。同社は車載分野でモーターを軸に、従来の単品売りから組み合わせ(モジュール)販売へと舵を切るための買収を着々と実行。13年には車載用の中核部品、エンジン電子制御装置(ECU)を手掛けるホンダエレシスを買収している。