有料会員限定

中国の不動産バブル 地方都市へと飛び火した

✎ 1〜 ✎ 71 ✎ 72 ✎ 73 ✎ 最新
拡大
縮小

実体経済の低迷が続く中国で、行き場を失ったマネーが不動産に殺到している。北京や上海で当局の規制が強まる中、その標的は地方に移った。

大都市での新規開発が難しくなっ たデベロッパーは二線都市にシフト。写真は江蘇省蘇州の建設現場(ロイター/アフロ)

地方都市の不動産価格が急騰し始めた。北京や上海など特大都市の相場高騰を力ずくで抑え込んだことで、行き場を失ったマネーが地方都市の不動産に押し出された形だ。実体経済の低迷が続く中、不動産価格の高騰だけが一段と激化しており、投機的色彩は強まる一方だ。

中国では北京や上海、深圳など国際的大型都市を「一線都市」、それに次ぐ各省の省都クラスを「二線都市」、それ以下の地方中核都市を「三線都市」と呼ぶ習慣がある。今回、急騰が目立つのは二線都市で、その中でも特に経済基盤の強い「強二線都市」と呼ばれる都市群だ。たとえば安徽省合肥、福建省厦門(アモイ)、江蘇省南京、蘇州は業界で「四小龍」と呼ばれ、今回の価格高騰が最も激しい。

中国の民間不動産シンクタンク「中国指数研究院」の発表によると、5月の二線都市の不動産価格上昇率は3~4%、四小龍では5~6%に達した。年間では30~40%の上昇を予測している。四小龍はいずれも数百万人の人口を擁する大都市で、このような急騰ぶりは異常というしかない。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内