「ガバナンス改革元年」から1年が経った。

成長戦略の一環として2015年6月、コーポレートガバナンス(CG)・コードが東京証券取引所で導入された。これにより上場企業は、複数の社外取締役の導入が事実上義務づけられるなど、企業統治の強化を求められることになった。株主の権利確保や対話の充実化も、これまで以上に進めなければならない。

国内外の投資家の期待は高まった。昨年5月から6月にかけて日本株は一時12連騰の活況を呈し、「ガバナンス相場」を形成した。

では実際に、日本企業の行動はどこまで変わったのか。

「株主というのは企業経営のメインである、と経営者に知らしめた1年だった」。IR・SR(投資家・株主向け広報)コンサルティングを手掛けるアイ・アール ジャパンの寺下史郎社長は言う。

象徴的だったのは、工作機械向け数値制御装置で世界首位のファナックだろう。同社は高収益・無借金の優良企業だが、株主還元や情報公開に消極的だった。しかし昨年には社外取締役を増員し、株主対話の専門部署を設置。配当性向も従来比2倍の60%へ引き上げた。