「日本で初めてのことを成し遂げた」 ラクオリア新社長が語る「株主完勝」の顛末

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ラクオリア創薬の社長に就いた武内博文氏(左)と株主提案を行った柿沼佑一氏(右)(撮影:尾形文繁)

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ジャスダック上場の創薬ベンチャー・ラクオリア創薬を舞台にした「個人株主革命」がついに実現した。
3月25日に開催された同社の株主総会で、11%の株式を保有する柿沼佑一弁護士が出した株主提案が85%の圧倒的多数の賛成を得て承認され、経営陣の大幅刷新が実現したのだ。会社側提案と正面衝突し、個人株主の意見が通るのは日本のコーポレート・ガバナンス史上、前代未聞かつ画期的な出来事だ。
ただ、新経営陣の前途には険しい道が待ち受けている。同社は2011年の上場以来、10期連続で営業赤字を計上している。新経営陣に対する従業員の不信や戸惑いを払拭しつつ、経営を黒字に転換させ、かつ研究開発を担うキーマンとの信頼関係を築いて会社を成長軌道に乗せないといけない。
どのようにラクオリアの舵取りをしていくのか。3月25日に代表取締役社長に就いた武内博文氏に聞いた(インタビューは4月1日に実施した)。

従業員との信頼関係を築いていく

――株主総会で取締役選任が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

こうなることはある程度わかっていたが、実際に承認されて改めて株主の思いの強さを感じた。「やった」というよりは、山積する課題もあり、大変な重圧を感じたというのが率直なところだ。

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