三陽商会「4度目の希望退職」で挑む背水の陣 大江伸治社長を直撃

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店舗の大リストラを進めたが、業況は予想以上に悪く4度目の希望退職に踏み切る(撮影:今井康一)
屋台骨だった英国ブランド「バーバリー」とのライセンス契約が2015年に終了して以降、5期連続の営業大赤字を見込む三陽商会。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度の売上高は大きく落ち込み、1月21日には希望退職者(約150人)の募集を発表した。同社として希望退職の募集は、2013年以降、これが4度目となる。
三井物産出身で昨年春から三陽の経営に参画した大江伸治社長は、在庫削減や不採算店撤退など大規模な構造改革を進める一方、2020年9月の東洋経済のインタビューで「希望退職は行わない」と明言していた。その後どういう目算の狂いが生じたのか。2021年度の黒字化を果たし、自力で生き残ることができるのか。大江社長を直撃した。

 

――「行わない」と言っていた希望退職者の募集をやらざるをえなくなった理由は何ですか。

この1年さまざまなリストラを断行し、販管費の削減はかなり進んだが、それ以上にコロナの売り上げへの影響が想定を上回った。2020年9~10月の売り上げが社内予算より上振れした中、秋冬商品のプロパー販売が山場を迎えた11月段階で第3波が直撃し、数字が急降下した。今年1月の売り上げも非常に厳しい。少しずつ盛り返してきているものの、今期は公表した業績予想(85億円の営業赤字)をギリギリ確保できたとしても、問題は再生プランで掲げてきた来期の黒字化だ。

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